久しぶりの商業BL感想です。
受が37歳、タイトル通り男が「女神」として扱われる、男の妊娠、基本は3P(2人の時も有り)等々、BLの中でも特殊な要素を詰め込んだこちらの小説…とてもハマりました。
何より文章が読みやすい!
1度出てきた登場人物でも読者が忘れていそうなサブキャラ等は地の文でもう1度説明してくれる時があるのは野原耳子先生の親切心なのでしょうか?
だとしたら野原先生の他の作品も気になってきますね( *˙ω˙*)و グッ!
受が37歳とは書きましたがこちらの37歳、ただの37歳ではないのですよ。
現代日本で生まれ育った尾上雄一郎(37)なのですが、元自衛官で現傭兵なのです。
元傭兵の日本人という肩書を持った方のウェブ上の記事はいくつか読んだ事ありますけど(例えばこちら↓
https://toyokeizai.net/articles/-/396034?ismmark=a )、尾上雄一郎は現役であり、その戦場での経験が異世界でこれだけ活かされているBL小説は初めて読みました。
作中でとあるキャラが雄一郎の事を「指揮官として優秀」と評すシーンがありまして、その優秀さが読者にも納得できる形で描かれているのもすごいのですよ。
そしてそんな雄一郎を「女神」として崇め奉る異世界の方々…
この雄一郎を崇め奉るのが全ての人間でない所がまた良いのです。
異世界の人々は基本肌も髪も白い上に黒色を出す為に必要な材料がとても貴重という事もあり、黒髪黒目の雄一郎は居るだけで貴重な人間なのですよね。
更に異世界では「白き者は黒き者に惹かれる」という言葉があり、その言葉の通り初対面で雄一郎の前に跪いて顔を上げられない者、これまた初対面で雄一郎の手に触れられる権利を得る為に人類を破滅させかねない武器を作る約束をする者などが出てきたりと、現役の傭兵でありながら貞操の危機に何度も晒される雄一郎に正直興奮しました。
前述した通り全ての人間が黒に惹かれるわけではないので、バリバリ人を殺すアラフォーの雄一郎(♂️)を見て女神と呼ぶ事に抵抗を覚える人も味方の中にも一定数いるのですね。
敵陣営からは「偽物女神」などと呼ばれたりもしますし。
これはまぁ別に理由があるのですが。
そこがね〜個人的にとてもツボなのです!
全ての人から受け入れられたわけではない男の女神が、その実力と人間味で女神になっていくのがいい!
ただ黒に惹かれる者が集まって来るのは仕様みたいな話でもあるので、そういった主人公自身の魅力以外で仲間が集まるのが苦手な人は読まない方がいいかもしれません。
ですが!
読んでいただけたらわかるのですが、尾上雄一郎自身にとても魅力があるのですよ!
最初は過去の辛い出来事から「破滅主義者」と称されるほどヤサグレでいるのですが、攻2人や仲間からの信頼などを受けて段々元の尾上雄一郎に戻っていくのですよ。
そしてそんな尾上雄一郎はとても魅力的でおせっせの時などは「エッチなお姉さん」と化すのにとても惹かれました…!
いや、破滅主義者な尾上雄一郎にも惹かれるものがありましたが。
と、ここまで主人公の話をしてきましたが、実はここまでハマった主な原因のキャラが居まして…いや、ここまで語った通り主人公もかなり好きなんですがね。
そのここまでハマった原因のキャラが名を「ラスティ=フォルグ・ゴート」と言います。
とある理由から周りの人には「ゴート」と呼んで貰えるよう頼んでいるらしく、主人公もラスティとは呼ばずにゴートと呼んでおります。
このゴート君、女神として軍を率いなければならない主人公の副官として登場しまして攻2人とはまた別のキャラですが、とても有能なのですよ。
そらもう指揮官として優秀な主人公が全幅の信頼を寄せるぐらい有能で、そして何より主人公に片想いしておるのです。
主 人 公 に 片 想 い!
この設定だけで腐女子は惹かれません?
私はめっちゃ惹かれました!
1巻の終盤までは読者でさえもその事に気付きにくい描かれ方をしておりまして、特に攻の1人がゴートの事を「黒に惹かれない者」の代表みたいな事を言うシーンがあるので読者も騙されちゃうのですよね〜
しかし1巻の巻末に収録されている番外編では、実はゴートは主人公に出会った当初からめっちゃ惹かれていた事が描かれるのですよ。
多分その番外編で堕ちた気がします。
この物語に。
このゴート君は読者からかなりの人気を得ているようで、その人気の高さを受けて原作者の野原耳子先生が個人のツイッターでゴートが雄一郎と結ばれる番外編を公開されていたりします。
このゴートが雄一郎と結ばれる番外編もね〜最の高なのですよ(`・ω・´)=3フンス
それらの感想は2巻の感想の後に記事にしていきます!
開始数ページで多分死んだのだと思いますが、冒頭で雄一郎とゲリラ戦をしていたオズワルドも好きなんですよね〜
彼もかなり魅力的なキャラでした。
雄一郎が異世界に飛ばされなかったら雄一郎を救っていたのはオズワルドだった気がするのです。
それほど冒頭で死なせるのには惜しいキャラでした…
願わくば3巻で出て来て欲しいものです。
そういえばウェルダム卿の第1夫人ジゼルってどうなったんですかね。
ウェルダム卿を捕らえたりマルコスを助けてくれたり、私兵や火薬を渡してくれたりとこれだけ見ると黒に惹かれる者といった感じですが、雄一郎に会う前から動いていたみたいなので気になります。